2016年6月16日。この日、乃木坂46の聖母、深川麻衣(まいまい)が地元静岡でのコンサートをもって卒業します。15日にも公演があり、おさえていた涙をこらえきれなかったようです。涙…。
深川麻衣は1期生。初期メンバーで最年長。乃木坂46というグループを最初から支えてきたメンバーです。
今回は、深川麻衣卒業記念。乃木坂46の最初のシングル「ぐるぐるカーテン」から、現時点での最新作にして、まいまいの卒業シングル「ハルジオンが咲く頃」までをふり返ります。
ハンカチのご用意を。
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「ぐるぐるカーテン」1stシングル
乃木坂46の歴史はここから始まりました。乃木坂46というグループのイメージを決定づけた1stシングル「ぐるぐるカーテン」です。通称「ぐるカー」
ミディアムテンポのおっとりとした曲調、かわいらしくもお上品なダンス、男子禁制の女の子だけの世界を、カーテンの中にぐるぐるくるまる様子で表した名曲。
この曲はメンバーが出演する明治チョコレートのCM曲にもなっています。このCMで橋本奈々未のセリフが棒読みだったので、後々いじられ続けることになります。
そっちこそ。
「おいでシャンプー」2ndシングル
2ndシングル「おいでシャンプー」通称「おいシャン」テレビ番組なんかで乃木坂46が登場するときにかかったりします。初期の代表曲。
このシングルは指原莉乃のソロデビュー曲「それでも好きだよ」と発売時期が重なり、直接対決が話題となりました。
結果は乃木坂46に軍配。2日目以降の売上は「それでも好きだよ」の方が上回っていましたが、初日の乃木坂の圧倒的な売上を追い越すことはできませんでした。
しかし良く考えれば、ソロvsグループです。AKBとの対決だったら負けていたでしょう。乃木坂もかなり知名度を上げてきましたが、今現在でも売上面ではAKBに遠くおよびません。
さすがは公式ライバル。
「走れ!Bicycle」3rdシングル
2012年8月発売。初めての夏シングルとなった「走れ!Bicycle」
夏曲とは言え、AKBのような水着は無し。フレンチポップを思わせるPVで、やはり乃木坂は清楚でちょっとおしゃれな感じでいくんですなぁ…と思いました。
このシングルから深川麻衣が選抜に入りました。以降ずっと選抜、福神、センターと駆け上がっていきます。
深川麻衣の歴史はここから始まった。文字通り走り出した瞬間です。
「制服のマネキン」4thシングル
これまでとはガラッと印象が変わった4thシングル「制服のマネキン」
これは衝撃でした。前3部作で乃木坂のおしとやかイメージが定着しつつあったところにこの曲ですよ。「汚れなきものなんて 大人が求める幻想」ですよ。
このシングルから、まなったんこと秋元真夏が復帰。しかも福神として。秋元真夏が復帰したことにより、前作で福神だった西野七瀬が選抜メンバーに降格。
秋元真夏と西野七瀬の間には溝ができてしまったそうです。秋元真夏は最初の3作ずっと休んでいて、突然の福神ですからね。受け入れられないのは当然です。
雪解けは約1年半後、2014年2月の横浜アリーナのBirthday Liveにて。制服のマネキンを歌う直前に、突然、西野七瀬のナレーションが…。
「あの時には言えなかった言葉でこの曲をはじめます。」
「真夏、おかえり。一緒にがんばろう」
これもうドラマだよ。
「君の名は希望」5thシングル
乃木坂46 『君の名は希望-DANCE&LIP ver.-』Short Ver.
乃木坂46が世に送り出した名曲中の名曲。5thシングル「君の名は希望」
紅白歌合戦でも、その年に出したシングルではなく「君の名は希望」を歌いました。作詞はもちろん秋元康、作曲は杉山勝彦という方です。
この杉山勝彦氏は、乃木坂46の数ある曲の中でも、感動的な名曲を生み出す作曲家として有名です。「私のために誰かのために」「羽根の記憶」「きっかけ」…
~ひたむきに生きる~というようなテーマの歌詞にぴったり合う感動的な曲ばかり。中でも「君の名は希望」は、アイドル史に残る傑作と言っていいでしょう。
「君の名は希望」は、アイドル界の希望です。
「ガールズルール」6thシングル
白石麻衣がセンターをつとめた6thシングル「ガールズルール」
夏曲です。それまではずっと生駒里奈がセンターをつとめていましたが、ガールズルール以降は入れ替わっていきます。
ここからが乃木坂の第2章と言っていいでしょう。そして、売上もガールズルールで伸びました。乃木坂46が着々と知名度を上げていった証です。
考えてみれば、男子禁制の女の子の世界を歌ったのが「ぐるぐるカーテン」で、女の子のルールを歌ったのが「ガールズルール」
新たな始まりは「女の子」として始まるのが乃木坂46なのかもしれません。
「バレッタ」7thシングル
2期生の堀未央奈をセンターに据えたサプライズ曲。7thシングル「バレッタ」
サプライズは48グループには付き物です。アイドルオタクのアイドル、メンバーの中田花奈は、そこまで驚かなかったらしいです。アイドルにはよくあることだから…。と。
バレッタはそれまでのイメージとはちょっと違う、昭和歌謡っぽい雰囲気がありました。バレッタの1ヶ月ほど前には、これまた昭和歌謡っぽいAKB48「ハート・エレキ」が発売されています。
そしてこの年ヒットしたドラマは「あまちゃん」です。劇中で歌われた「潮騒のメモリー」も昭和っぽい歌謡曲。
時代の空気に合わせて送り出したのが「バレッタ」と言えるのかもしれません。
「気づいたら片想い」8thシングル
今でこそ乃木坂46の中ではダントツ人気の西野七瀬ですが、初めてのセンターは8thシングル「気づいたら片想い」でした。
この曲で乃木坂46は、ミュージックステーションに初出演しました。Mステに出るのにシングル7枚分かかっていたんですね…
それを考えると欅坂46が、デビュー曲、サイレントマジョリティーでMステに出演したのは、かなり異例だということが分かります。
しかしこれも、乃木坂46がきっちり土台を固めてきたからこそ。もちろん欅坂46のメンバーも、その点しっかり認識した上で活動しています。
インタビューなんか読んでると、自分たちがかなり恵まれた位置にいるということを自覚しているようで。
いやー若いのにねぇ…。頭が下がります。
「夏のFree&Easy」9thシングル
3回目の夏曲。9thシングル「夏のFree&Easy」
このシングルからSKE48松井玲奈が交換留学生として参加しています。ポジションはセンターではありませんが、もちろんフロントメンバーです。
やはり松井玲奈の存在感は大きかった。知名度があまり無いメンバーの中に、あれ?何か有名人入ってるけど?状態。
交換留学生ですから、乃木坂からは生駒里奈がAKB48を兼任する形になりました。生駒ちゃんは総選挙にも出馬。第14位と健闘しました。
そして深川麻衣はこの曲から福神に選ばれ、以降ずっと福神の位置をキープし続けます。
この夏は乃木坂46にとってもなかなかアツい夏でしたね。
「何度目の青空か?」10thシングル
生田絵梨花をセンターに起用した10thシングル「何度目の青空か?」
センターは1st~5thは生駒里奈、6thが白石麻衣、7th堀未央奈、8th~9th西野七瀬と遷移していき、10thで生田絵梨花。
生田絵梨花は休業明けでした。真夏さんといい、休業明けのサプライズ起用はひとつのパターンのよう。何度目のサプライズか?
この曲はPVが面白いですね。漫画のようなシチュエーションに入り込んだ男子高生が、決して羨ましいとは思えない内容。
しかしこの生ちゃんの振り返り顔というのは何とも映えますね。まさに青空のようだ。
「命は美しい」11thシングル
西野七瀬をセンターに戻した11thシングル「命は美しい」
とてもドラマチックな楽曲です。 タイトル通り、かなり深いテーマを歌っていて、乃木坂46の楽曲の中でも非常に哲学的な内容です。
考えてみるとこの曲、リリースは春です。それにしては曲調は暗めです。なかなか攻めてるなぁ。
海をバックにしたポスターが印象的でした。ヒット祈願企画として東京メトロとタイアップし、各駅にメンバーのポスターを貼ってましたね。
やはり予想通り盗難にあったとか…?
ポスターのメンバーの表情が凛々しくて、乃木坂の新境地を感じたシングルでした。
「太陽ノック」12thシングル
今度は生駒里奈をセンターに戻した12thシングル「太陽ノック」
4回目の夏曲です。命は美しいから一転、アイドルらしい曲調です。乃木坂の中でもかなりAKBっぽい曲と言いましょうか。
乃木坂46のメンバーが出演したドラマ「初森ベマーズ」の主題歌です。主演は西野七瀬でした。やはり西野七瀬の人気は高いんだなと再確認した作品でした。
ちなみに深川麻衣の役名はカアチャンです(笑)
「今、話したい誰かがいる」13thシングル
アニメ映画「心が叫びたがってるんだ。」の主題歌となった13thシングル「今、話したい誰かがいる」
乃木坂46史上、一番成功したタイアップでしょう。「心が叫びたがってるんだ。」は興行収入10億円超えで、原作・TVシリーズを持たないアニメ映画としては異例のヒット。
観客は若い人が多かったので、乃木坂46の楽曲とも相性が良く、世界観もマッチしていました。このタイアップで新たなファンを獲得したと思います。
白石麻衣と西野七瀬のダブルセンター。人気もルックスも申し分ない二人をセンターに起用したのは、新しいファンの獲得には最適だったのかもしれません。
「ハルジオンが咲く頃」14thシングル
14thシングル「ハルジオンが咲く頃」
最初で最後となる深川麻衣のセンター曲。誰にでも優しく、誰からも好かれる、深川麻衣のことを歌ったあたたかな歌詞、春にぴったりの明るくも切ない曲調…。
すべてが揃っています。
ここまでメンバーひとりにフォーカスを当てて、感動的に仕上げた楽曲は他に無いのではないでしょうか…?しかもシングルで。
テレビ等で放送していたダンスでは、最後、深川麻衣が後を託すように、あるメンバーの手をとって歌い終えます。こちらも感動的でした。
巨大グループの中にあって、ひとりのためにこれほどできるというのは、やはり深川麻衣の人柄でしょう。
切ない、けどあたたかい…。まさに卒業式のような名曲です。
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おわりに
2016年6月16日。乃木坂46ファンにとって、この日は忘れられない日になるでしょう。卒業コンサートが行われる静岡は、天気予報によるとあいにくの雨模様。
でもこれはきっと、ファンの涙ですね。
お別れの寂しい涙、門出を祝う祝福の涙、今までありがとうの感謝の涙…
まいまい、お疲れさまでした。
ファンの皆さま、しばらくは、まいまいロスに耐えましょう。